「何故エリーズは語らなかったのか?」森博嗣 ネタバレ感想⑤

肝心の「究極の恵み」について。雑な感想。長文。



バーチャルでの死って、関連するデータをすべて消せば終わりなんかと思ってたけど、
そういうわけでもないのかぁ。
復元されちゃうとか、思ったより難しいんだな。

これまでは、リアルからバーチャルへの移住とか、コピーされた人格は同一人物となりえるかとか、
シフトの過程に焦点があったように思うけど、
今回はその更に先へのシフトってことで、
もう一歩進んだというか、もう一層?構造が増築されたような感じね。


バーチャルが人間の作り出した世界ゆえに、死までプロセスを創造しなきゃいけないって、
考えたことなかったわ……
リアルはデフォが混沌としてるから、複雑なことも無作為に自然発生するし、
基本的にはその複雑さを保存も再現もできないから取り返しがつかないし、
それが死を実現させている大きな要因で、故に人生にとって意味深いわけで。
バーチャルは混沌は創造しなければ発生しなくて、
保存も再現もできてしまってその先に自然な死が成立しないから、
実現しようとすると、こんなに大仰になるのな。
すごいね。言われてみればそうなんだけど、そういう観点で考えたこと全然なかったわ。


カトリナは死を司る人工知能として、存在は発覚したけど、
それが今後どう扱われるかと言えば……どうなんでしょうね……
確かに死って究極ではあるけど……そして必要なものだと私も思うけど、
言い方悪いが、「死にたかったらカトリナあるぜ」で使えるもんなんかというと……うーん……


それに、バーチャルでは、というか共通思考では?人格は混ざったり複数になったりするものになるみたいな話だったし、
そこにカトリナ絡んだらドえらいことにならんか……?その辺よく分からん……

まぁでも実際にどう使うか以前に「それが在る」という事実を世界が知るのはデカいし、
そこから受ける精神的な影響という意味では、実行しなくても恩恵の一端は賜われるわけか……


そして肝心その2、
「何故語らなかったのか」ってところが、うーんあんまりしっくりくる感じでは掴めなかったわ……
ここはちょっともっかいちゃんと読みたい。
クローンエリーズがオリジナルから離れたのは、
死の創造=人を殺す技術に手を貸すのが憚られたのもありそうだけど、
母たるオリジナルがそれを使って死ぬであろうことも怖かったろうなと思う。

これって、なんかほんのり四季とミチルの関係と被る部分がある気がして、
あの孤島の研究所の中で母の死を作らなきゃいけなくなったミチルも、結局それは出来なかったんだよなぁ。
ミチルはそのまま亡くなって、クローンとして生きてるわけだけど、
でも、クローンエリーズは自身で離れることができて、
また母エリーズは死を完成させて死に、四季は死を超越した。
そこはかとなく、対比を感じてしまうな。


このバカデカ概念と、ロボットを逃したくなるロジのめちゃくちゃパーソナルな描写、
振り幅がエグいて……


あと、話飛ぶけど、
そういえばグアトロジって、君夢のあと人工細胞の治療受けたのかな?
老化してるの?
社会全体はどうなんかな?
死に向かってるのか、また不死になってるのかでも、
色々微妙に捉え方が変わりそうな部分がある気がするんだけど、
今作で全然触れられなくて不明すぎる。
一応、各地で子供が生まれてるような言及はあったけど、
老化と不老はもはや治療で随時選べる状況のはずだし、そこは分かんないな。


はぁ~~~~~なんかまだ色々ちゃんと読めてない感じがするなぁ~~~~
とりあえずあの一家が無事なのは分かったので、
着席してもっかい、落ち着いて読みたい。笑