歌の終わりは海

物語の感想というよりは、読んだ後考えたこと?的な語り。



この作品は、帯にあった「死は、救いとなりうるのか?」
というよりは、
「あなたは、死を以って、人を救うか?」
という側だよな、と思った。

私はもともと、
「苦しむなら安らかに死にたい」派なので、
死は救いとなりえる、と抵抗なく言う人です。


ただ今回は、フォーカスが
「死によって救われる人」ではなくて、
「死によって救う人」に、
"なれるかどうか"という点だと思うし、
そこは強く考えた。

それを許す社会の一員、それを許す家族、
それを許す恋人、その責任を託される人、
送ることで、残される人に、
自らなれるのか。


橋の上で、泣く、その感情が、
計り知れない。

私だったらどうしたかな?という想像が、
あまりにデカい。重い。

でも、同時に、
「美しい」というのも、正直ちょっと分かる。


加部谷が、自分が死にたかった時の話を、
割と淡々としていたところが、
すごく胸にきた。
そうやって話せるようになったのかぁ……と。
乗り越えていくことは大事だし、
強くなって、成長して、いいのかもしれないけど、
同時に、
自分が死のうとしたことを、人に話せる心理状態が、
必ずしも良いとも思えないんだよね。
泣かなくなったのか、泣けなくなったのか、
みたいな。


でも少なくとも、話してもいいと思える人が、
近くに居てくれるというのは、
いい出会いだったんだよな、それは良かったよな、
という仄かな幸いを両手で包みたい気持ち。


なんかあんまり、いつもみたいに、
ここが良かったとかあれがやばかったとか、
具体的に言いたい感じじゃないんだよなぁ。
なんか……、
「そっか……」
みたいなね。
やっぱり、エンタメとして客観的に楽しむ感じじゃなかったかな……。


このシリーズ外シリーズで、
加部谷がちゃんと大丈夫になって欲しい。
小川さんもね。
二人とも大丈夫になって欲しいなぁ。